特定非営利活動法人 日本KAIGOサポートセンター

理事長あいさつ

Greeting

世界最速で少子高齢化が進む日本

世界最速で少子高齢化社会を迎えている現在の日本。高齢者人口は3,514万人、総人口に占める割合は27.7%と共に過去最高となり、4人に1人が高齢者の時代になりました。 2040年には約280万人の介護職員が必要とされていますが、高齢者支援も単なる人手の問題ではなく、それを支える人の心の問題だと考え、日本KAIGOサポートセンターの活動を開始しました。

昔は子供からお年寄りまで家族が一つ屋根の下で過ごし、生活の知恵や様々な知識を次の世代また次の世代へと受け継がれていました。家で亡くなるお年寄りも多く、亡くなる人のもとに家族や親戚が集まり、残された人に思いを託される場面もたくさんありました。その方の最期を看て各々がもっと力強く生きなければいけないと思ったのではないでしょうか。現代はその様な機会が少なくなってきた為、人と人との繋がりが薄れ、命の尊さを考えることも昔に比べると少なくなってきました。

世代を超えた家族が一つの食卓を囲んでいた古き良き時代のように、子供の頃からお年寄りとふれ合い、人と人との繋がりや助け合いの心を学ぶことができたなら、もっと温かみを感じられる社会になるのではないでしょうか。介護はご家族の代わりとなって大切な人をケアするお仕事です。もう一度、日本人が忘れかけた思いやりの精神、 要求される前に相手が必要としている事を感じ取る心、介護を通じてそうした心のあり方を子供達に伝えられれば、将来介護に対するイメージも変わるはずです。 この世代を超えたコミュニティの形成が介護の問題のみならず、現代の日本が抱える様々な問題を解決するための糸口になるのではないでしょうか。しかしながらこの取り組みを独力で行うには時間がかかりすぎ、高齢化のスピードに間に合いません。そこで問題を解決するため、日本KAIGOサポートセンターでは2つの目標を掲げました。

  1. 1.KAIGOの義務教育化

  2. 2.KAIGOの世界標準化(デファクトスタンダード)

KAIGOの義務教育化と世界標準化を目指します。

第一の目標は小中学校での「KAIGOの義務教育化」です。介護が義務教育に導入され多くの子どもたちが学ぶ事で、介護に対する見方が変わり、高齢者や障害者への接し方も自ずと良い方向へ向かうと信じています。現在はまだ学校教育での実績の積み重ねに力を入れていますが、後々は行政や政治への働きかけも進め二方向から運動を盛り上げていきたいと考えています。

第二の目標は「KAIGOの世界標準化(デファクトスタンダード)」です。介護は日本の精神性を土台にケアが成り立っています。どの人にも同じではなく、「どうしたらその方に喜んでいただけるか」を常に考え、行う最上級の心遣いです。現在介護の手法は事業所によってさまざまですが、効率的かつ心がこもった介護を志す方向性は同じです。それをきちんと目に見えるかたちで確立した後に、日本の介護スタイルを世界に発信していきます。

今後、アジアでも急速に高齢化は進んでいくことが予想されています。介護がそうした国々で役立つことは間違いありません。組織名に「介護」ではなく「KAIGO」としたのも、世界への発信を念頭に置いているからです。

カラオケ(KARAOKE)、駅伝(EKIDEN)など世界の共通語となった日本語がいくつかありますが、介護(KAIGO)も世界の共通語として通用できるほどに知名度を上げたいと思っています。穏やかで明るい老後を願う気持ちは国や民族の違いに関係なく、あらゆる人に共通した思いでしょう。私達はKAIGOを心と平和の架け橋として世界の人々や国々に貢献したいと考えています。そして、その時には介護を3Kなどという人はいなくなっていることでしょう。介護は若者に夢を与えられる仕事になっているはずです。なぜなら、私自身が介護は楽しく、やりがいに満ちた仕事であると言う事を日々実感しているからです。ふり返ってみるとあらためて介護が自分を成長させてくれたのだと感じます。これから日本KAIGOサポートセンターの活動を通じて介護業界に新たな価値を生み出し、皆様と感動を分かち合うことができたなら、このうえない喜びです。